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【RP2040】Raspberry Pi Picoのサイズやピン配置をそのままに、充電機能の追加といった高機能化されたラズパイマイコン「Pimoroni Pico Lipo」

公開日:2021/11/24 05:00

カテゴリー:記事

PIMORONI社が販売している高機能なRaspberry Pi Pico互換のマイコンボード、「Pimoroni Pico Lipo」が秋月電子より国内での販売が開始されました。
Pimoroni Pico Lipoは、ラズベリーパイ財団が提供するRP2040を搭載したマイコンボードです。同じくラズベリーパイ財団が販売しているRaspberry Pi Picoの、サイズやピン配置を忠実に継承しており、それに加えて性能の向上や機能の追加が図られているのが特徴です。

2021年11月現在、販売を開始した秋月電子では、2300円(税込み)です。

Pimoroni Pico Lipoは、RP2040を搭載しているため、利用しやすいドキュメントが豊富にあることや、同じRP2040を採用したシステムから設計を継承しやすいなどの利点が挙げられます。また、ボードのサイズとピン配置がRaspberry Pi Picoと同一であるため、互換性が大きく設計をそのまま流用する何てことも可能だと思います。

RP2040はRaspberry Pi 財団より販売されている32Bitマイクロコントローラで、Raspberry Piの名を冠しており、豊富なドキュメントや安価であることが特徴です。Raspberry Pi 財団からは、RP2040を搭載したマイコンボード「Raspberry Pi pico」が販売されています。

Pimoroni Pico Lipoの特徴


Pimoroni Pico Lipoは、先にも記したようにRaspberry Pi Picoとの互換性を保ちながらも、性能及び機能が大幅に強化されています。
特に注目なのが、LiPoバッテリー(リチウムポリマーバッテリー)に対応していることです。
Raspberry Pi picoのフットプリントを継承しながらも、バッテリーの制御回路がボードに組み込まれており、バッテリーを接続して電源を供給することで充電可能です。

ボードのUSBコネクタは、USB Type-Cポートとなっています。Raspberry Pi Picoは、USB Micro-Bポートであるため、こちらの方が取り回しが良いと感じる人もいるかもしれません。

Pimoroni Pico Lipoのボード上には、垂直方向に対応した、Qwiicコネクタが設けられているためピンヘッダをはんだ付けしなくてもセンサモジュール等を接続して使用することも可能です。
Qwiicシステムは、I2C通信を利用して動作することが可能な、センサモジュール、アクチュエータといったデバイスを、コネクタを利用してケーブル1本で接続してプロトタイピングが容易になるシステムで、SparkFunより提供されています。

また、Pimoroni Pico Lipoはフラッシュメモリが大幅に強化されています。
公式によると、4MB版と16MB版がありますが、秋月電子では16MB版が販売されています。(Raspberry Pi Picoは2MB)

Pimoroni Pico Lipoは総じて、Raspberry Pi Picoを強化した言わば上方互換ボードです。バッテリーの対応などは、こうしたマイコンボードが良く使われるIoTシステムとも相性が良く、またデスク上での実験でも強化された豊富な機能を試すことが出来るマイコンボードです。

気になる点としては、価格が挙げられます。
Pimoroni Pico Lipoは現在2300円で販売していますが、Raspberry Pi Picoは500円ほどで購入できるので、いささかお手軽さが欠けるように思われます。
RP2040を搭載したマイコンボードは、低コストであることが特徴の1つになっている場合も多く、Pimoroni Pico Lipoはそうしたボードより一回り価格が高いと思います。しかし価格に見合う性能は持ち合わせているため、「スペックの高い」マイコンボードの選択肢として上がる製品と言えるでしょう。

参考及び画像引用
Pimoroni Pico LiPo – 16MB