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【M5Stack】強化された第2世代のM5Stack Core 2、静電容量タッチスクリーンを搭載したEPS32ベースのマイコンモジュール

公開日:2021/10/10 01:00

カテゴリー:記事

低価格で豊富な機能をそろえており、なおかつ手頃に使いやすいといった理由から人気となっているマイコンモジュールにM5Stackシリーズがあります。
M5Stackは、中国の企業より販売されているマイコンモジュール及び同企業のことを指します。M5Stackに関連するデバイスの販売の他に、WEBブラウザ上で視覚的にM5Stackのプログラミングを行えるシステムを公開しているなど、組み込みや電子工作などの開発、学習において、ユーザビリティの高いプラットフォームを提供しています。

多くのM5Stacの特徴として、無線通信機能があるマイコンESP32を搭載しているので、Wi-Fi/Bluetoothを簡単に低消費電力で使うことが可能です。

M5Stack Core 2は、第2世代のベーシックなモデルのM5Stackとなるマイコンモジュールです。初代のM5Stackにあった豊富なインターフェイスを、使いやすいように改良したモデルとなっています。マイコンモジュール本体の上面となる前面のディスプレイは、静電容量のタッチスクリーンに改良されており、同時にディスプレイの下に三つ並んでいた操作ボタンもタッチ式に置き換わりました。

マイコンモジュールの”M5Stack”

一般的に”M5Stack”のことを指すベーシックなモデルでは、本体の上面となる前面にディスプレイ及び下配置に3つの操作ボタンがあるマイコンモジュールです。側面には、電源やリセット用の各種スイッチ、microSDカードの差込口、USB Type-Cコネクタ、I2C用のコネクタ、その他入出力に使えるピンソケット/ピンヘッダを搭載しています。
 
大きな特徴として、背面のカバーを外すことで外部用の入出力部分に繋がっていたコネクタが外れて、ピンヘッダが露出します。背面カバーの代わりに、M5Stackに対応したバッテリーモジュールやセンサモジュールを重ねて装着することが可能です。これらの外部モジュールは積み上げ(Stack)して機能を拡張することが出来ます。
 
M5Stackでは、マイコン、無線通信モジュールとしてESP32を搭載しており、基本性能はESP32に準ずるものとなっています。
 
ESP32は、中国に拠点を置くEspressif Systemsが開発し、Wi-Fi/Bluetoothといった無線通信機能を搭載し低消費電力なSoCとなるマイコンです。
 
プロセッサにはアメリカのテンシリカより提供されているXtensa LX6 マイクロプロセッサ を採用しており、シングルコア版とデュアルコア版が存在します。
 
動作周波数は、160MHzまたは、240MHzで動作し、520KiB SRAMを搭載しています。
 
M5Stackの開発には、esp-IDFでM5Stackライブラリを利用したC++言語での開発や、いわゆる「Arduino言語」といったArduino IDEを利用するC言語に近いプログラミングで行うことが可能です。
 
これらのプラットフォームでは、M5Stackの公式よりライブラリが提供されています。
 
M5Stackには、Web上でブロック図やPythonでの開発が可能なプラットフォーム「UIFlow 」を提供しており、こちらを利用した開発も可能です。

M5Stack Core 2の詳細


初代のM5Stackの後継機種として2020年に、”M5Stack Core 2”が登場しました。
M5Stack Core 2は、初代のM5Stackの機能性を継承し、静電容量のタッチスクリーンの採用やバッテリー充電における動作の強化などの改良が施されています。
 

タッチ対応のディスプレイ

前面のディスプレイは2インチ、320×240のTFT液晶を搭載しています。小さいながらも、IPS液晶で初期のM5Stackよりは視野角が良いようです。現在は初代のM5Stackとして販売されているBasicモデルにおいても、液晶ドライバとともに置き換わっているため、恐らく同等の性能を有していると思われます。
ディスプレイドライバは、ILI9342Cを搭載しています。また初代M5Stackに相当するモデルもこちらを採用していますが、以前はディスプレイにILI9341を搭載しており、改良が施されています。
 
M5Stack Core 2のディスプレイの大きな特徴には、タッチスクリーンに対応したことが挙げられます。初代のM5Stackにもともとあった3つの物理ボタンも、タッチボタンに置き換わっています。タッチスクリーンのドライバはFT6336Uを採用しています。
 
 

リアルタイムクロックやバッテリー制御の強化

M5Stack Core 2には、以前のM5Stackには無かったRTC(リアルタイムクロック)を搭載しています。RTCのICは、BM8563を搭載しています。RTCがあることで、より正確な時間で制御できるようになります。
IoTといったような用途だと、実際の時刻と比較して経過する時刻に差異が生じてしまいますが、RTCを搭載することで、そういった影響が格段に少なくなります。
 
電源管理には、AXP192という専用のICを搭載しており、通常のUSBコネクタからの給電の他に、GPIOやバッテリーからの電源供給を適切にコントロールしてくれる機能があります。
バッテリーは、電源電圧が3.7Vで390mAhのリチウム電池を搭載しています。
初代M5Stackのバッテリーは、3.7Vで110mAhであるため、より長時間での駆動が期待できます。

引用:M5Stack