M5stackが提供するマイコンモジュール「M5Stack Tough ESP32IoT開発ボードキット」がスイッチサイエンスで販売開始されました。
従来のM5stackと同様にESP32を搭載しWi-Fi/Bluetoothが利用出来ることに加えて、耐候性のあるエンクロージャーや、Oリングや防水性能のあるM12コネクタを採用しており、屋外など特殊な環境下ですぐに使うことのできるマイコンモジュールとなっています。
2021年10月現在、スイッチサイエンスでの価格は税込6512円で9月30日より販売を開始しています。
注意点として、「M5Stack Tough ESP32IoT開発ボードキット」の本体は浸水に対する耐性が無いことを促しています。
雨下のような状況では耐性がありますが、水中での使用には適していません。
適切に排水するなどの対処を行い使用するのが良いと思われます。
M5StackとEPS32
M5Stackは、中国の企業が開発したマイコンモジュールまたは同企業のことを指すものです。
一般的に”M5Stack”のことを指すベーシックなモデルでは、本体の上面となる前面にディスプレイ及び下配置に3つの操作ボタンがあるマイコンモジュールです。側面には、電源やリセット用の各種スイッチ、microSDカードの差込口、USB Type-Cコネクタ、I2C用のコネクタ、その他入出力に使えるピンソケット/ピンヘッダを搭載しています。
大きな特徴として、背面のカバーを外すことで外部用の入出力部分に繋がっていたコネクタが外れて、ピンヘッダが露出します。背面カバーの代わりに、M5Stackに対応したバッテリーモジュールやセンサモジュールを重ねて装着することが可能です。これらの外部モジュールは積み上げ(Stack)して機能を拡張することが出来ます。
ベーシックなM5Stackでは、マイコン、無線通信モジュールとしてEPS32を搭載しており、基本性能はESP32に準ずるものとなっています。
EPS32は、中国に拠点を置くEspressif Systemsが開発し、Wi-Fi/Bluetoothといった無線通信機能を搭載し低消費電力なSoCとなるマイコンです。
プロセッサにはアメリカのテンシリカより提供されているXtensa LX6 マイクロプロセッサ を採用しており、シングルコア版とデュアルコア版が存在します。
動作周波数は、160MHzまたは、240MHzで動作し、520KiB SRAMを搭載しています。
M5Stackの開発には、esp-IDFでM5Stackライブラリを利用したC++言語での開発や、いわゆる「Arduino言語」といったArduino IDEを利用するC言語に近いプログラミングで行うことが可能です。
これらのプラットフォームでは、M5Stackの公式よりライブラリが提供されています。
またM5Stackは、Web上でブロック図やPythonでの開発が可能なプラットフォーム「UIFlow 」を提供しており、こちらを利用した開発も可能です。
「M5Stack Tough ESP32IoT開発ボードキット」の詳細
M5Stack Tough ESP32IoT開発ボードキットの構成は、M5Stack core2をベースにしたマイコンモジュールに加えて、耐候性のあるエンクロージャ、拡張ボード、防水加工が施されたM12コネクタとなります。
拡張ボードは、従来のM5Stackモジュール同様に、積み重ねが可能となるピンコネクタを搭載しています。また、4つの色分けされたコネクタが搭載されていて、それぞれ、I2C、GPIO、UART、電源+シリアル通信で利用することが出来ます。
拡張ボード上には12V→5VのDC/DCコンバータを搭載しているため、こちらを経由して12Vの電源を接続することも可能です。
オレンジ色の見た目をしたエンクロージャは、紫外線や水分で劣化しにくい素材で作られており、壁などに固定するためのネジ穴が設けられています。
拡張ボードと、M12コネクタに合わせた従来のM5Stackよりも大きなボディーで、内部は比較的ゆとりのある構造となっています。
M5Stack Tough ESP32IoT開発ボードキットは、製品名にもある通りIoTへの活用が用途として考えられます。
センシングや制御、Wi-Fi/Bluetoothを利用してデータの取得、ちょっと小さいですがサイネージの様な使い方も面白いかもしれません。
屋外で野ざらしにするような状況で、M5Stackの豊富なインターフェイスを利用して、これらの機能を組み合わせて使えるデバイスです。